従業員50人未満でも産業医面談は必要?|中小企業の人事が知るべき義務と対応策

~法令遵守と実務の観点から~

はじめに

うちは社員が50人未満の小さな会社なんですけど、最近ちょっと気になることがあって、、、。
産業医がいなくても、社員の体調に不安を感じる場面ってあるんですよね。
でも産業医面談って、うちみたいな会社にも関係あるんでしょうか?
何かあったとき、“対応してなかったから違法”なんて言われたらどうしようって…心配になって。



ご心配、よくわかります。
実は、従業員が50名未満の事業所でも、
“面談が法的に義務になるケース”があります!
代表的なケースは2つあります。
1つ目は長時間労働、
2つ目はメンタル不調からの復職時です。
【ケース①】月80時間超の残業(長時間労働者) + 本人希望時
→ 面談が“法的に義務”



月80時間を超える時間外・休日労働をした従業員が、
“医師の面談を希望”した場合、
会社は遅滞なく医師との面接指導を実施しなければなりません。



それって、うちみたいな50名未満の小さな会社でも?



はい。従業員数に関係なく適用されるルールです。
産業医が社内にいなくても、外部の医師と連携して対応する必要があります。
【ケース②】メンタル休職
→復職時には“医師の判断”が必要



実は最近、うつで休んでいた社員が復職したいと言ってきていて…



その場合は、“就業できるかどうか”を医師が判断する必要があります。
これは明文化された義務ではないんですが、会社には『安全配慮義務』があるので、実務的には必須対応です。



医師の判断を受けずに復帰させると、あとで何かあったときに対応がまずかったって言われたり…トラブルになることもあるかもしれませんよね…



その通りです。万一に備えて、医師の復職可否判断は記録としても残しておくのが安心です。
【まとめ】
50人未満の事業所でも必要な面談対応 2つのケース





なるほどー、うちは50人未満だから産業医の選任義務はないけど……
長時間労働で月80時間超えてて、本人が面談したいって言ったら、
会社としては必ず医師との面談を受けさせなきゃいけないんですね。これは法律で決まってると。



50人未満の会社でも長時間労働面談(月80時間超え+本人希望の際)は必須なんです。
ここは大切なポイントですね!
繁忙期などで長時間労働者が発生している時は注意が必要です。



メンタル不調者の復職面談は法的に明文化されてないだけで、やっておかないとトラブルになるリスクがあるってことか……。
実務的には“必須”と考えたほうがよさそうですね。
なるほど、人数に関係なく、
「面談が必要なときはきちんと外部の医師と連携して対応する」っていう姿勢が大事なんだなってよくわかりました



おっしゃる通りです!
復職面談は、従業員の方にとっても心身の不調から回復して仕事を再開するタイミングで、さまざまな配慮が必要なことが多いです。
そこを疎かにするとトラブルとなるリスクもあるので、復職面談は、従業員の方にとっても会社にとっても重要ですし、行う必要があります。
ただ、産業医を選任していない場合、突然必要となってもどうやって探したらいいか困りますよね。
当事務所では、そのようなスポット・臨時での産業医面談も受け付けていますので、お気軽にご相談ください。
厚労省『長時間労働による健康障害防止のための総合対策』(令和3年)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000120923.html
厚生労働省「労働安全衛生法のあらまし」2023年版
https://www.mhlw.go.jp/content/11300000/001121924.pdf
コメント